MIHOLO’s 図書室

本と音楽、たまに猫の雑記

つづきの図書館

もし、子どもの頃読んだ本の登場人物が、自分のその後を心配していたらどうだろう。

私が子どもの頃、よく読んでいた本は何だっけ。それすら思い出せないくらいだから、

心配通り越して呆れているかも。

 

児童書にカテゴライズされてるこの本だから、

登場人物が主人公の未来を探すお話しなのかなと思ったら、探すことを頼まれる人がいた。

その人は40代の司書、桃さん。あんまり児童書の主人公が40代で、桃さんのおばさんからは

「うすぼんやり」してると言われている人が主人公っていうのも珍しい。

しかも、ちょっと複雑な人間関係や問題を抱えている様子だし。

この時点で、児童が「面白い!」って飛びつく児童書ではないだろうなとは思いながら先に進む。

最初は「はだかの王様」の王様が出てくる。はだかの王様の王様ってあんまり良いイメージないんだけど、

この本の中では、自分が出てくる本を読んでくれていた青田早苗ちゃんのつづき(その後)が知りたいという

愛情溢れる王様になっている!

そのはだかの王様が言うセリフに

「一人の人間に一生愛されて、その人間のそばにおいてもらえる本もあるじゃろ。

そんな本は幸せじゃ」

 

というのがあって、いやあ、はだかの王様なのに、いいこと言うななんて感心したり。

 

その後も、何パターンか登場人物が桃さんの前に現れて、一緒にその後を解決していく。

うすぼんやりしていた桃さんが、少しずつ逞しく、行動的になっていく。

実際は本の中の人物だけでなく、「うすぼんやり」なんていじわるなことを言っていた

おばさんが、一番桃さんを見守ってくれているんだけど。

それに気付く時は別れなきゃいけないんだよね。

 

桃さんを頼りにしていた登場人物達もいつの間にか見えなくなり

喪失感と悲しみ、寂しさが押し寄せてくるんだけど、

最後に、こういう展開が待っていたのか!と全部が繋がると

もう、目頭が熱く熱くなる本でした。