MIHOLO’s 図書室

本と音楽、たまに猫の雑記

ポプラの秋

千秋は私なんじゃないか?は最初に読んだ時の感想だ。

父を亡くし、もう忘れてしまったと思っていた母と2人で暮らした日々が鮮明に甦る。

寝込んだ時の昼間の時計の音とか、名前も知らない男の子と公園で遊んだ記憶。

学校に馴染めなかった事とか、自分でも理由がわからないまま母にぐずったりした日々。

そして何より、手紙を書くこと。

今でこそ、年齢なりに図々しくなり、言いたいことを言っている(しかも友人曰くちょっと毒舌らしい)

私だけれど、子どもの頃から本当に言いたいことはなかなか言えない性格だった。

だから本当に言いたいことは書いていた。手紙だったり、ノートだったり。紙の切れ端だったり。

先生へ提出する「交換日記」だったり。

 

本の中で、亡くなった人への手紙を預かると言うおばあさんの

「手紙というのはやはり、郵便屋にしろ、海に浮かぶ瓶にしろ、

何かに運ばれて行ってこそ、書いた者の心がほんとうに解き放たれるものだから」のセリフが心に残った。

そうか、思いから解放されたくて、何かを書いているんだな。

それは、今、なんだろう。

父が急死した夏、母は幼い私を連れて知らない町をあてもなく歩いた。やがて大きなポプラの木のあるアパートを見つけ、引っ越すことにした。こわそうな大家のおばあさんと少しずつ親しくなると、おばあさんは私に不思議な秘密を話してくれた―。(「BOOK」データベースより)