絶対泣かない
追悼 山本文緒さん
この「絶対泣かない」をいつブログに書こうかなと思っていた矢先の訃報で本当に驚いた。
山本さんの書く女性たちは決して悪い人じゃないのだけれど
女性なら誰しもが、自分に、友人に、隣人に、知り合いの中に
必ずいるであろう人がいて、しかも、ちょっと胸がチクッと痛む毒がある。
なので、読むタイミングを選ぶ本だなといつも思ってた。
この「絶対泣かない」は15の職業の仕事場で起こる人間関係やハプニングの短編集。
私もこの中の2種類くらい経験がある職業があった。
私は大学時代、きちんと就職活動もしなかったし、
そもそも就職活動も大学が就職の相談に乗ってくれるとも知らなかった(酷過ぎる!(笑))
音楽大学だったから、音楽の教員か、音楽教室の講師が主だったし、
それ以外はアルバイトしながら、音楽の勉強続ける人も多かったような気がする。
私も、何か嫌じゃない程度の仕事をしながら、歌、歌えたらよいなくらいだった。
そのせいで、いや、そのお蔭?でいろいろな仕事が経験出来た。
でも、どの仕事が向いていたのかは今でもわからない。
自分自身が未熟だったから向かないと思い込んだのか、
向いてないから面白さを見いだせなかったのか。
確実なのは、自分で向いてると判断した仕事より、
上司に向いてると言われた仕事の方が長続きしているという結果。
自分の判断程当てにならないものはないなと思う人生後半戦(笑)
備忘録
文緒さんのあとがき
『もし、あなたがあなたの仕事を嫌いだとしたら、それがどんなにつまらない仕事でも、それをつまらないと思っているのはあなた自身です。つまらない仕事を選んでいるものあなたで、でもそのつまらない仕事でお給料をもらって自分を食べさせているのなら、一見華やかそうでも、誰かから扶養されている人よりは何倍も自由であることを、時々は思い出してください。
どうか、あなたがあなたの仕事を好きになれますように』