MIHOLO’s 図書室

本と音楽、たまに猫の雑記

ネコの住所録

本との思い出は人との思い出も甦る。

群ようこさんの本で最初に読んだのは「ネコの住所録」

ネコ好きの人にはたまらない1冊だと思う。

 

初めて外資系の会社に派遣社員として働きに行った時、

日本人でもミドルネーム?で呼び合っている環境に最初大変戸惑った。

私の席の前には年齢不詳、だけど確かに大先輩であろうモニカさんと

呼ばれていた女性社員の方がいて、私の一挙手一投足ご指摘頂いていた。

今でも覚えているのは、

席を立つときに、飲みかけのカップにはティッシュをかぶせなさいとか、、、

(え?そこまでですか!)

今なら、そうですよね!とか、はい!と答えられるような事も、

その頃は若干めんどくさいなあと心の中で思っていた。

 

その頃も、ランチは独りで過ごしたかったし、本も読みたくて、

席にいることが多かった私に、

モニカさんから、何読んでるの?と聞かれたような覚えがある。

そこで、読み終わった「ネコの住所録」を「面白いので、差し上げます」と渡した。

きっと話を切り上げたい気持ちだったように思う。

 

そして私の派遣期間の終了日がきた時に、モニカさんからお手紙と本を貰った。

その手紙には「ネコの住所録」が思いの外面白かったことと、私に貰わなければ

自分では選ばない本だったから、これからもっと群さんの本を読みたいということ。

本を貰うのがこんなに嬉しいなら自分からも私に本をあげたいなどが書かれていた。

 

びっくりしたというか驚いた(同じだよ)

深い意味なんてなかったのに、そんなに喜んで貰えるとは。

めんどくさい人とか思ってごめんなさいと心の中で謝った(口には出せない)

 

本1冊で、人への印象だって変わるんだなと今更ながら思い出した話。

 

群ようこさんの「パンとスープとネコ日和」シリーズの中に

毎日ちょっとした小言を言う喫茶店のママが出てくる。

悪気がないので、嫌いにはなれないタイプだし、

歳を重ねるとママに共感する部分の方が多くなる。

その主人公アキコが思う言葉

「若い頃はわからないけれど、何十年も経って、それが自分の人生にとって重要な人であったことに気づく。いい意味でも悪い意味でも、世の中には無数の人がいるのに、そのなかで出会う人というのは、何かしら縁がなければ会えないはずなのだ」

を思い出す。

モニカさんが私にとって重要な人物だったと思ってなかったけど(失礼だな)

今こうして、人に本を薦めたり探したりする職業に就いてるのは、

あの時の本を通して気持ちが分かり合えた感じをどこかで忘れなかったのかも。